Ubuntu 20.04 LTSのインストール直後にやっておきたいことまとめ

Linuxガイド

Ubuntu 20.04 LTSをインストールした後にやっておきたいことをまとめました。

Ubuntu 20.04 LTS (Focal Fossa)のインストールの方法は、以下の記事で紹介しています。これからインストールする方は参考にしてください。

この記事で紹介するのは、主にインストール直後に多くの人がやっておいたほうが良いと思われる内容です。ひと通り確認して、自分にとって使いやすい環境を整えてもらえればと思います。

パッケージのアップグレード

Ubuntuでは、各ソフトウェアが「パッケージ」という単位で管理されています。Ubuntuをインストールしたら、まずは各パッケージを最新の状態にアップグレードしておきましょう。古いパッケージにはセキュリティホールやバグが含まれることもあります。環境構築につまずかないためにも、アップグレードは重要です。アップグレードするには、画面左上の「アクティビティ」をクリックするか、Superキー(Windowsキー)を押して、「update」と入力してください。すると「ソフトウェアの…」が表示されるので、クリックします。

起動すると、更新されたパッケージがないかチェックする処理が実行されます。見つかった場合はアップグレード処理を進めましょう。

端末を開いて、コマンドでパッケージを更新することもできます。以下の通り実行します。

sudo apt update && sudo apt upgrade -y

言語サポートの設定

次に、「言語サポート」を設定しましょう。画面左上の「アクティビティ」をクリックして「lang」と入力すると、「言語サポート」のアイコンが表示されます。Enterを押すかマウスでクリックしましょう。

以下のようなダイアログが表示されたら、「インストール」をクリックします。認証が必要なので、表示されたダイアログにパスワードを入力してEnterを押しましょう。

このダイアログで言語の追加・削除・順序変更を行った場合は、「システム全体に適用」をクリックしましょう。再度パスワードを入力する必要があります。処理が完了したら、「閉じる」をクリックしましょう。

なお、言語サポートの設定を変更した場合、ログインしなおすまで日本語入力ができなくなることがあります。日本語入力ができなくなった場合、一度ログアウトし、再度ログインしてください。

キーボード関連の設定

日本語を入力できるようにする

Ubuntu 20.04 LTSの初期状態では、「半角/全角キー」を押しても日本語入力がオンになりません。

日本語入力をオンにするには、まず画面右上に「ja」が表示されているかを確認しましょう。表示されていなければ、いずれかのアプリで文字を入力できる部分をクリックすると、表示されるはずです。「ja」をクリックすると以下のような表示になるので、「日本語 (Mozc)」を選びましょう。

表示が「A」に変わります。

Firefoxの検索ワード入力欄など、文字入力が可能なところをクリックして「半角/全角キー」を押せば、表示が「」に変わって日本語入力がオンになります。もう一度「半角/全角キー」を押すとオフになります。

なお、「Windowsキー」+「スペースキー」を押すと表示が「ja」に戻り、「半角/全角キー」を押しても日本語入力できなくなります。そんな時は、もう一度「Windowsキー」+「スペースキー」を押すか、もう一度マウスで「日本語 (Mozc)」をクリックして切り替えてください。

CapsLockの変更

普段、CapsLockをCtrlに変更している人も多いでしょう。そんな人は、端末を開いて以下のコマンドを打ちましょう。

CapsLockをCtrlに変える場合

gsettings set org.gnome.desktop.input-sources xkb-options "['ctrl:nocaps']"

CapsLockとCtrlを入れ替える場合

gsettings set org.gnome.desktop.input-sources xkb-options "['ctrl:swapcaps']"

キーテーマの変更

「Emacs風」のキーボードショートカット(Ctrl-Aで行頭へ移動など)が好みなら、以下のコマンドを実行しておきましょう。これはLinuxの操作に慣れたユーザー向けの設定です。よく分からなければ、実行しないでください。

gsettings set org.gnome.desktop.interface gtk-key-theme Emacs

画面ロックの設定

Ubuntu 20.04 LTSは、デフォルトで5分間入力がないと画面が消えてロックされます。ロックされると、再度パスワードを入力しないといけません。何度もロックされるのはストレスなので変更したい、という方も多いでしょう。変更するには、画面右上をクリックしてシステムメニューを開き、「設定」をクリックします。

設定ウィンドウが開くので、左のリストにある「プライバシー」をクリックし、続けて「画面ロック」をクリックします。すると、以下の画面で画面ロックに関する設定を行うことができます。

「ブランクスクリーンの遅延」は、操作されない状態が続いた時に画面をオフにするまでの時間を設定します。「しない」を選ぶと画面をオフにしません。

「自動画面ロック」は、自動で画面をロックし、パスワードが入力されるまで操作できないようにするための設定です。オフにすれば、ブランクスクリーンになった後も画面を自動ロックしません。

自動で画面をロックするタイミングは、「自動画面ロックの遅延」で設定します。「画面オフのとき」を選ぶと、画面がオフになると同時にロックされます。時間を指定すると、オフになってから指定した時間が経過したタイミングで画面がロックされます。

Canonicalパートーナーリポジトリの有効化

Canonicalの「パートナーリポジトリ」を有効にして、サードパーティ製のソフトウェアをインストールできるようにしておきましょう。画面左上の「アクティビティ」をクリックするか、Superキー(Windowsキー)を押して、「soft」と入力します。すると、「ソフトウェアと…」のアイコンが表示されるのでクリックします。

開いたダイアログで「他のソフトウェア」タブを選び、「Canonicalパートナー」にチェックを入れます。その際、認証のためパスワードの入力が求められます。

チェック後に「閉じる」をクリックすると、ソフトウェア情報の再読込を促すダイアログが表示されるので、「再読込」をクリックしてください。キャッシュの更新が行われます。

Flashプラグインのインストール

WebブラウザでFlashを再生する場合は、「adobe-flashplugin」パッケージをインストールしておきましょう。上記の手順でCanonicalパートナーレポジトリを有効化した後、端末を開いて以下のコマンドを実行してください。

sudo apt install -y adobe-flashplugin

各種形式の動画や音声を再生できるようにする

「ubuntu-restricted-extras」パッケージを追加すれば、法律上の理由でデフォルトではインストールされていないソフトウェアがインストールされ、さまざまな形式の動画や音声を再生できるようになります。端末を開いて、以下のコマンドを実行してください。

sudo apt install -y ubuntu-restricted-extras

インストール中、Microsoft TrueType core fonts for the Webのエンドユーザ使用許諾契約(EULA)が表示されます。↑↓キーでスクロールして読むことができます。Tabキーを押して「了解」を選択してEnterを押して進みます。

「いいえ」が選択されているので、インストールする場合は矢印キーもしくはTabキーで「はい」に切り替えてEnterを押してください。

アプリをインストール

Dockに登録されている「Ubuntu Software」を使って、アプリを検索してインストールすることができます。

APTでインストールできる定番アプリ

以下にAPTでインストールできる定番アプリのインストールリンクを掲載しておきます。クリックしてインストールを進めることができます。

Ubuntu 20.04 LTS上のFirefoxでこの記事を開いているなら、上記の各リンクをクリックすると、以下のようなダイアログが表示されます。

20.04 LTSのリリース時点において、「AptURL」を選択するとインストール完了後にダイアログがグレーアウトしたまま消えない問題があります(LP: #1874591)。また、筆者が試した限り「Ubuntu Software」を選んでも開かない場合がありました。そこで、ここでは「/snap/bin/snap-store」コマンドで開く方法を紹介します。

まず、「選択」をクリックします。

プログラムの選択ダイアログが開くので、「他の場所」から「コンピューター」-「snap」-「bin」を開いて「snap-store」を選択します。

「snap-store」が追加されるのでクリックし、「今後aptリンクは同様に処理する」にチェックを入れて開きましょう。

Ubuntu Softwareが開きます。「インストール」をクリックしましょう。

Snapでインストールできる定番アプリ

APTでインストールできるのは、Ubuntu 20.04 LTS用にビルドされたdebパッケージですが、ディストリビューションやバージョンに依存せずインストールできる「Snap」で配布されているアプリも多くあります。以下は、定番Snapアプリのインストールリンクです。

Ubuntu 20.04 LTS上のFirefoxでこの記事を開いているなら、上記の各リンクをクリックすると、以下のようなダイアログが表示されます。「Handler for snap:// URIs」を選択し、「今後aptリンクは同様に処理する」にチェックを入れて開きましょう(「Snap ストア」を選ぶと開かないことがあります)。

ダウンロードしてインストールできる定番アプリ

ソフトウェアアプリからはインストールできないものの、ベンダーが自身のサイトで.debファイルを配布している場合があります。アプリによっては、.debファイルを直接ダウンロードするのではなく、独自のリポジトリを提供している場合もあります。Ubuntu向けの.debファイルを配布している、有名アプリサイトへのリンクを以下に載せておきます。

Google Chromeのインストール方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

Google ChromeをUbuntuにインストールする方法
Ubuntuでは、デフォルトのWebブラウザとして「Mozilla Firefox」がインストールされています。しかし、世界で最も広く使われているWebブラウザ「Google Chrome」を使いたいと考える人は多いでしょう。このページでは...

.debファイルのインストール方法については、以下の記事で解説しています。

【Linux FAQ】.debファイルをダウンロードしたのですが、どうやってインストールすればいいですか?
UbuntuやLinux Mint、DebianといったDebian系Linuxディストリビューションを使っているなら、以下の方法でローカルにダウンロードした.debファイルをインストールできます。 方法1・aptを使ってインストール 端...

Dockへのアイコン登録と削除

アプリを追加したら、簡単に起動できるようにしましょう。画面左の「Dock」に、アプリのアイコンを追加したり、削除したり、並べ替えたりすることができます。

追加するには、アプリを起動してDockにあらわれたアイコンを右クリックし、「お気に入りに追加する」をクリックします。

削除するには、右クリックして「お気に入りから削除」をクリックします。

アプリアイコンをドラッグ&ドロップで並べ替えることもできます。お気に入りに追加していないアイコンをドロップすると、自動で追加されます。

パッケージキャッシュの削除

ダウンロードした.debファイルは、/var/cache/apt/archives/にキャッシュされています。このキャッシュをクリアするには、以下のコマンドを実行します。

sudo apt clean

以下の記事で紹介したUbuntu Cleanerを使ってもいいでしょう。

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その他の環境整備

以上、Ubuntu 20.04 LTSの基本的な設定やアプリなどを紹介してきました。
他にも、好みに応じてアプリを追加したり、設定を変更したりすることで、より自分にとって快適なUbuntu環境を作っていくことができるでしょう。
以下に、Ubuntuの環境整備に関連した記事を紹介します。

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