「ffsend」コマンドをインストールすれば、コマンドラインから「Firefox Send」へのアップロードやダウンロードができます。
Firefox Sendとは?
Firefox Sendは、無料で使えるファイル送信サービスです。他の人にファイルを送ったり、PCとスマホでファイルを送りあったりするのに使うことができます。送信時にファイルが暗号化されるため、安全にファイルをやりとりすることが可能です。詳しくは、以下の記事を参照してください。
ffsendとは?
Firefox Sendは、Webブラウザでファイルを送受信するサービスです。しかし、コマンドラインで操作している時に、わざわざブラウザに切り替えて操作するのは面倒です。そこで開発されたのが「ffsend」です。以下のGitHubページで開発されています。
ffsendをインストールすれば、コマンドラインからFirefox Sendへのアップロードやダウンロードができるようになります。Linux・Windows・macOSにインストール可能です。本記事公開時点では「アルファ版」とされており、まだ実装途中の機能もあるようですが、アップロードやダウンロード、アップロード履歴やファイル情報の表示など、基本的な機能は問題なく動作しています。
ffsendのインストール
LinuxにSnapでインストール
UbuntuなどSnapに対応したLinuxディストリビューションなら、以下のコマンドを実行するだけで簡単にインストールできます。
sudo snap install ffsend
ただしSnapでインストールした場合、アップロードできるのはホームディレクトリ以下のファイルだけです。また、ホームディレクトリ以下であっても「.」からはじまるドットファイル(.bashrcなど)はアップロードできません。こうしたファイルもアップロードしたい場合は、次の手順で最新バイナリを手動インストールするとよいでしょう。
Linuxに最新バイナリを手動インストール
まず、必要なパッケージをインストールします。ディストリビューションにより異なりますが、UbuntuやDebianの場合は以下のコマンドを実行します。
sudo apt install -y openssl ca-certificates xclip
CentOS・RHEL・Fedoraの場合は以下のコマンドです。
sudo yum install -y openssl ca-certificates xclip
ブラウザでffsendのリリースページを開き、最新の「ffsend-vバージョン番号-linux-x64-static」をダウンロードしましょう。本記事公開時点の最新バージョンは「ffsend-v0.2.44-linux-x64-static」でした。
ダウンロードしたディレクトリで以下のコマンドを実行すれば、「/usr/local/bin/ffsend」としてインストールされます。
sudo install ffsend-*-linux-x64-static /usr/local/bin/ffsend
Windowsにscoopパッケージでインストール
Windowsにscoopをインストール済みなら、以下のコマンドで簡単にインストールできます。
scoop install ffsend
ffsendを使ってコマンドラインからファイルを送受信する
アップロード
ファイルをアップロードするには、以下のようにサブコマンド「upload」を指定して実行します。
ffsend upload ファイル
「upload」を「u」に省略して、以下のように実行することもできます。
ffsend u ファイル
以下は、「test.pdf」をアップロードする例です。
$ ffsend upload test.pdf
Upload complete
301 Moved Permanently
「-c」オプションをつけると、URLがクリップボードにコピーされます。以下は「mozilla.pdf」をアップロードし、URLをクリップボードにコピーする例です。
$ ffsend u -c mozilla.pdf
Upload complete
301 Moved Permanently
「-p パスワード」でパスワードを設定することもできます。「-P」を指定すると、自動生成したパスワードが設定されます。以下は、自動生成したパスワードを設定してアップロードする例です。
$ ffsend u -P test.cpp
Upload complete
301 Moved Permanently
Passphrase: Worry clump riot ajar Lever
生成されるパスワードには、上の例のようにスペースが含まれるので注意してください。
ダウンロード
アップロードされたファイルをダウンロードするには、以下のようにサブコマンド「download」を指定して実行します。
ffsend download URL
「download」を「d」に省略して、以下のように実行することもできます。
ffsend d URL
以下はパスワードを設定したファイルをダウンロードする場合の実行例です。正しいパスワードを入力した場合のみ、ダウンロードされます。
$ ffsend d https://send.firefox.com/download/f63abb8abe123670/#SbiTziRrTmXH10aJU1DM7Q
Password:
Download complete
履歴の確認
アップロードしたファイルの履歴を出力するには、以下のようにサブコマンド「history(もしくはh)」を指定して実行します。URLと有効期限を確認できます。
$ ffsend history
# LINK EXPIRY
1 https://send.firefox.com/download/ded4e927e82c099c/#G4Gpyay8m--aKTgU3Ag2Qw 23h49m
2 https://send.firefox.com/download/f63abb8abe123670/#SbiTziRrTmXH10aJU1DM7Q 22h21m
3 https://send.firefox.com/download/40cb0d56bdb5e3fb/#QlpAf9a6Fv4xCLAyXUBnmw 22h14m
4 https://send.firefox.com/download/d7f8cfff1cbffd42/#U21-KLiMHnK8AjVG2Hmo_g 22h13m
5 https://send.firefox.com/download/b32a5f2050e541c9/#zkYjVVNCs2oow6N06SnCUA 22h10m
主なサブコマンド
「upload(u)」「download(d)」「history(h)」以外にも、さまざまなサブコマンドがあります。主なサブコマンドは以下の通りです。
- upload(u)
- ファイルをアップロード
- download(d)
- ファイルをダウンロード
- delete(del)
- ファイルを削除
- exists(e)
- ファイルがサーバーに存在するかを確認
- history(h)
- アップロード履歴を出力
- info(i)
- アップロードしたファイルの情報を出力
- help
- ヘルプを表示
「ffput」「ffget」で実行できるようにするには
Linuxの場合、「ffsend」へのシンボリックリンクを「ffput」と「ffget」で作成しておくと、「ffsend upload」の代わりに「ffput」、「ffsend download」の代わりに「ffget」が使えるようになります。コマンドが短くなるので、多用する場合に便利でしょう。ただし、Snapでインストールした場合は動作しません。「/usr/local/bin/」にシンボリックリンクを作るなら、以下のように実行します。
cd /usr/local/bin/
sudo ln -s $(which ffsend) ffput
sudo ln -s $(which ffsend) ffget
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