Ubuntu 18.04 LTSの「ヤバイ不具合」まとめ

2018年5月1日

Ubuntu 18.04 LTSには、リリース時点で判明している不具合(バグ)が複数あります。

不具合や要注意点の情報は、以下の「リリースノート」ページにまとめられています。

https://wiki.ubuntu.com/BionicBeaver/ReleaseNotes(英語)
https://wiki.ubuntu.com/BionicBeaver/ReleaseNotes/Ja(日本語)

リリースノートで紹介されているのは、リリース時点の不具合および注意点です。
将来的には修正されるかもしれませんが、インストール前に一通り確認しておいたほうが良いでしょう。

また、リリースノートには記載されていないものの、主に日本語環境で発生する不具合もあります。

では、不具合と注意点を1つずつ見ていきましょう。

目次

日本語環境で「文字」「電卓」「システムモニター」「ログ」が文字化けする場合がある。

従来のdebパッケージではなく、Snapパッケージでインストールされるようになったこれらのアプリケーションは、日本語環境で文字化けする場合があります。

17.10までのUbuntuの日本語フォントとして採用されていた「Takaoフォント」をインストールすると文字化けするようです。

Takaoフォントをインストールしても文字化けしないものを使うには、まず以下のボタンをクリックしてdebパッケージ版を入れます。

そして、以下のコマンドでSnap版をアンインストールします。

sudo snap remove gnome-calculator gnome-characters gnome-logs gnome-system-monitor

なお、Snapパッケージはリリース後も更新されていくので、いずれは修正されるかもしれません。

上記の方法以外に、Takaoフォントではなく、派生元のIPAフォントをデフォルトフォントにするという方法もあります。
この方法なら、上記のSnapアプリも文字化けしません。
フォントの追加やデフォルトフォントの変更については、以下の記事をご覧ください。

PCによっては、インストールorアップグレード後に再起動しても、ログイン画面が表示されない。

PCによっては、インストールもしくは旧バージョンからのアップグレード後、再起動してもログイン画面が表示されません。
対処法は、以下のページを参照してください。

「Ubuntuソフトウェア」から日本語に対応していないSnapパッケージがインストールされてしまう。

Dockに登録されている「Ubuntuソフトウェア」を開くと、さまざまなアプリをクリックしてインストールすることができます。
しかし、日本語表示に対応していなかったり、日本語入力できないSnapパッケージもインストールできてしまいます。
トップページに表示されている「VLC」や「Corebird」は、日本語に対応していないSnapパッケージへのリンクなので注意が必要です。

Snapパッケージの場合、詳細を開くと以下のように「ソース」に「Snap Store」とあります。

「VLC」や「Corebird」といった名称で検索すると、debパッケージ版のアイコンも出てきますので、そちらをクリックしてインストールすれば、問題無く日本語が使えます。
リリース時点では問題がありますが、将来的には、各Snapパッケージも日本語に対応していくと思われます。

バッテリー駆動の時、リモートログインしているユーザーがいても、入力が20分間ないとサスペンドしてしまう。

ノートPCなどでACアダプタをつながず、バッテリーで駆動している時の問題です。
SSHなどでリモートログインしているユーザーがいても、PCのキーボードやタッチパッドを20分間操作しないと、サスペンドしてしまいます。
「バッテリー駆動のPCにリモートログインする」というのはレアケースですが、そういう使い方をしている場合は注意が必要ですね。

https://gitlab.gnome.org/GNOME/gnome-control-center/issues/22

BluetoothオーディオデバイスがGreeter(ログイン画面)で有効にならない。

ログイン画面でスクリーンリーダーを利用しているユーザーに影響があるようです。ログイン後は正常に動作します。

Wayland上のGNOMEで一部のアプリケーションが動作しない。

Waylandセッションでは、「GParted」や「Synaptic」といった一部の管理ソフト、スクリーンショットツールやスクリーンキャストツール、そしてリモートデスクトップサーバーアプリが動作しません。

Ubuntu 17.10でも同じ問題がありました。17.10ではWaylandがデフォルトだったたけ大きな問題でしたが、Ubuntu 18.04 LTSではXorgがデフォルトとなっています。なので、ほとんどのユーザーには影響がないでしょう。

GPartedが動かなかったり、スクリーンショットが撮れなかったりする場合、Waylandのセッションにログインしているかもしれません。その場合、ログイン画面で歯車アイコンをクリックし、「Ubuntu」を選択してログインしなおしましょう。

次回ログイン時は、選択したセッションがデフォルトになります。そのため、毎回選択する必要はありません。

ライブセッションの終了時、処理が止まることがある。

UbuntuのライブUSBやライブDVDでPCを起動すると、「ライブセッション」という「インストールせずにUbuntuを試用できる」状態になります。
このライブセッションで「シャットダウン」や「再起動」を選んで終了しようとすると、「A start job is running for ...」と表示されたまま止まってしまうことがあるようです。
こうなると、強制的に電源を落とすか、再起動するしかありません。

https://bugs.launchpad.net/bugs/1706939

GNOMEの拡張機能「Dock」「Appindicator」が「オン」であるにもかかわらず、GNOME Tweakなどで「オフ」と表示される。

「Dock」(デスクトップの右側に表示されるUbuntu Dock)と「Appindicator」(パネルへのインジケーターアイコンを表示機能)が、「Tweaks」などで「オフ」と表示されます。

https://bugs.launchpad.net/bugs/1718850

表示は「オフ」ですが、これらはUbuntuセッションにおいて必須の「システムエクステンション(拡張機能)」なので、常に「オン」になっています。通常「オフ」にはできません。

Trackerがデフォルトでインストールされていない。

Trackerは、ファイルなどを検索するための「索引付け」を行うソフトウェアです。ファイルの全文検索が可能になるなどのメリットがあります。
ただし、バックグラウンドで解析処理が走るので、PCへの負荷がかかります。
17.10でもデフォルトでインストールされていませんでした。

「tracker」パッケージを追加し、ログインしなおすとバックグラウンドで動作するようになります。

https://bugs.launchpad.net/ubuntu/+source/tracker/+bug/1697769

GTX970などを搭載したNVIDIAチップ搭載PCで、外部スクリーンをDisplayPortで接続していると起動に失敗する。

「GTX970」などのNVIDIAチップを搭載したPCで、「DisplayPort」に外部スクリーンを接続している場合、システムの起動に失敗することがあります。

https://bugs.launchpad.net/ubuntu/+source/linux/+bug/1723619

NVIDIAチップ搭載PCにインストールしようとしている場合は注意が必要です。

ノートPCに外部モニターを接続したまま起動すると、ノートPC側のモニターにのみログイン画面が表示される。ノートPC側のモニターが消えたままとなり、ログイン画面が表示されないこともある。

これはハマる人が多そうな不具合です。ノートPCで外部モニターやプロジェクターに接続する機会がある人は、こういう不具合があると覚えておいたほうが良いでしょう。

https://bugs.launchpad.net/bugs/1723025

強制的にUEFIでインストールしようとしたときに出る警告ダイアログが反応せず、インストールが継続できなくなる。

UEFIパーティション作らず、強制的にUEFIでのインストールを行おうとすると警告ダイアログが表示されます。しかし、このダイアログは入力を受け付けず、インストールを継続できなくなります。

LVMでインストールされた環境に、「ディスクを削除してUbuntuをインストール」を指定すると失敗する。

既存のストレージがLVMで構成されている場合、注意が必要です。

該当する場合、「ディスクを削除してUbuntuをインストール」を選ばすに「それ以外」を選び、手動でパーティションを設定してください。

https://bugs.launchpad.net/ubuntu/+source/ubiquity/+bug/1724417

「ファイル」アプリがバージョン「3.26」のままとなっている。

Ubuntu 18.04 LTSのGNOMEはバージョン「3.28」ですが、ファイルアプリ(Nautilus)は「3.26」となっています。
これは、3.28のファイルアプリでは、デスクトップにアイコンが配置できなくなるためです。

https://didrocks.fr/2018/01/23/welcome-to-the-ubuntu-bionic-age-nautilus-a-lts-and-desktop-icons/

インストーラー(Ubiquity)でのアップグレードがサポートされなくなっている。

apt-cloneのバグにより、インストーラーを用いたアップグレードはサポートされなくなっています。

https://bugs.launchpad.net/ubuntu/+source/apt-clone/+bug/1756862

これにより、DVDやUSBメモリを用いた「オフラインアップグレード」ができなくなっています。
アップグレードするためには、ネットワーク接続が必要です。

ulimitの設定により、一部のアプリケーションがセグメンテーション違反を起こすことがある。

ulimitを設定すると、一部のアプリケーション(特にwebkit2gtkをつかっているもの)がセグメンテーション違反を起こすことがあります。

https://salsa.debian.org/webkit-team/webkit/blob/wk2/unstable/debian/NEWS

ログイン画面でパスワードを間違って入力した時、画面が止まることがある。

通常、パスワードを間違えるとエラーメッセージが表示されます。しがし、画面が止まってしまうことがあります。

https://bugs.launchpad.net/ubuntu/+source/gdm3/+bug/1766137

リリースノートには「キャンセル」を押すようにと書かれていますが、マウスカーソルが動かなくなってキャンセルが押せなかったり、紫一色の画面になってしまったりということもあるようです。

Ubuntu 16.04 LTSなどからアップグレードすると音が出なくなることがある。

Ubuntu 16.04 LTSなどから18.04 LTSにアップグレードすると、音がでなくなることがあります。解決策は、以下のページを参照してください。

関連記事