EPELリポジトリをRed Hat Enterprise Linux 7に追加設定すれば、13000を超える「追加パッケージ」を簡単にインストールできるようになります。
追加パッケージはRed Hatのサポート対象外なので自己責任となりますが、公式パッケージに無いソフトウェアを自分でビルドするよりは、EPELから導入したほうが良い場合が多いでしょう。
EPELとは?
EPEL(Extra Packages for Enterprise Linux)とは、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)向けの「追加パッケージ」を提供するリポジトリです。Fedoraプロジェクトにより提供されています。RHELだけでなく、CentOSやScientific LinuxといったRHELをベースとしたディストリビューションで使うこともできます。
Red HatはFedoraをベースとしてRHELを開発し、「商用サポート」を提供しています。しかし、品質を保証する必要があることから、RHELとしてパッケージ化されているソフトウェアの数はFedoraよりずっと少なくなっています。
そこで、Fedoraのパッケージのうち有用なものをRHEL向けにビルドしたのがEPELです。RHEL 7にEPELを追加すれば、より多くのオープンソースソフトウェアを、yumコマンドで簡単にインストールできるようになります。
ただし、RHELの公式パッケージを元にしたCentOSの公式パッケージに比べると、EPELパッケージは品質もさまざまで、セキュリティFixが提供されないこともあるという点には注意が必要です。
多くの場合、RHELはミッションクリティカルな用途に使われているでしょう。しかしEPELのパッケージを導入すると、そのパッケージに起因する問題はRed Hatのサポート対象外となります。利用する場合は、どのパッケージがEPELから導入されているのか、しっかり把握しておきましょう。
RHEL 7にEPELレポジトリを追加する方法
RHEL 7にEPELレポジトリを追加設定するには、以下のコマンドを実行してパッケージをインストールします。
sudo rpm -ivh https://dl.fedoraproject.org/pub/epel/epel-release-latest-7.noarch.rpm
sudoが使えない場合は、「RHEL・CentOS・Fedoraでsudoを使えるようにする方法」の手順で使えるようにするか、rootユーザーで実行してください。
「yum repolist」を実行すると、「epel」が追加されていることが分かります。
$ yum repolist
読み込んだプラグイン:langpacks, product-id, search-disabled-repos, subscription-manager
Repo rhel-7-server-rpms forced skip_if_unavailable=True due to: /etc/pki/entitlement/0000000000000000000-key.pem
epel/x86_64/metalink | 5.6 kB 00:00:00
epel | 4.7 kB 00:00:00
(1/3): epel/x86_64/updateinfo | 1.0 MB 00:00:00
(2/3): epel/x86_64/primary_db | 6.6 MB 00:00:01
(3/3): epel/x86_64/group_gz | 88 kB 00:00:15
リポジトリー ID リポジトリー名 状態
epel/x86_64 Extra Packages for Enterprise Linux 7 - x86_64 13,021
rhel-7-server-rpms/7Server/x86_64 Red Hat Enterprise Linux 7 Server (RPMs) 23,918
repolist: 36,939
EPELリポジトリからのインストール
レポトリさえ追加すれば、あとはyumコマンドを実行するだけでEPELからパッケージをインストールできます。
以下は、シェルスクリプトを解析して間違いなどを教えてくれる「ShellCheck」のパッケージを「sudo yum install -y ShellCheck」コマンドでインストールする例です。
他にも、たとえば日本語入力システム「Anthy」、統計分析ソフト「R」、漢字コードフィルタ「nkf」、ウェブブラウザ「Chromium」、パスワードを生成する「pwgen」などのパッケージをEPELリポジトリからインストール可能です。
なお、EPELリポジトリに含まれるパッケージの一覧は、以下のコマンドで確認できます。
yum --disablerepo="*" --enablerepo="epel" list available | less
EPELリポジトリからインストールしたパッケージの一覧は、以下のコマンドで確認できます。
yum list installed | grep @epel | less
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