次の元号「令和（れいわ）」が、発表前からWindows 10の漢字変換辞書に登録されていたようだったので、古いバージョンのWindowsを含めて“何年前から「令和」が日本語変換辞書に入っていたのか？”を調べました。詳しい経緯は、以下の記事に書いています。
上の記事は追記を重ねて読みにくくなったので、この記事に結果をまとめておきます。何の役にも立たない情報ですが、興味のある方は読んでみてください。
最初に「令和」が辞書に入ったのはMS-IME 98
Windows 10からWindows 95まで、できるだけさかのぼって調べたところ、変換辞書に「令和」が入ったのは1998年（平成10年）3月13日に発売された「Microsoft IME 98（MS-IME 98）」からのようです。
しかし、初期状態では変換候補に出てきません。以下の画像のように、IMEツールバーで「人名/地名」に切り替えることで「れいわ」の変換候補として「令和」が出ます。
このように、第一候補として「令和」が出ています。これは、Windows 95にMS-IME 98をインストールした環境で確認しました。MS-IME 98が標準搭載されているWindows 98の初期バージョンでも、おそらく同じように変換できるでしょう。
なお、Windows 95に標準搭載されている「MS-IME 95」とWindows NT 4.0に標準搭載されている「MS-IME 97」には「人名地名辞書」が無く、「令和」も候補として出ませんでした。
Windows 7までは「人名/地名辞書」に「令和」が登録されている
「MS-IME 98」から、Windows 7に標準搭載されている「MS-IME 10」まで、「令和（れいわ）」は「人名地名辞書」に含まれています。通常、この辞書はIMEツールバーで「人名/地名」が選択された時に使用されます。MS-IMEのプロパティで、「一般」モード時にも使用するよう設定することも可能です。以下の画像は、Windows XPに標準搭載されている「MS-IME 2000」で「人名地名辞書」を全モードで使うよう設定する例です。
この設定で、「令和」が変換候補に含まれるようになります。ただし、ただ「令和」を変換したいだけなら辞書登録したほうが良いので、実用上の意味はありません。
Windows 8から「標準統合辞書」に「令和」が登録されたのでインストール直後から変換可能に
Windows 8に標準搭載された「MS-IME 2012」より、「人名地名辞書」は「標準拡張辞書」に統合され、デフォルトで使われるようになりました。これにより、インストール直後から「れいわ」の変換候補として「令和」が出るようになっています。これは、Windows 8.1・Windows 10も同様です。
なぜ「令和」が「れいわ」として人名地名辞書に登録されたのか？
ということで、1998年3月発売のMS-IME 98で「人名地名辞書」に追加された「令和」が、Windows 10に搭載のMS-IMEの「標準拡張辞書」までずっと受け継がれてきた、ということのようです。
「令和」が「れいわ」という読みで登録された経緯については、推測するしかありません。「令和」という地名は無いようですが、「令和」というお名前の方はいらっしゃるようです。なので、「人名」として辞書に登録された可能性が高いでしょう。
しかし、男性の名前としては一般的に「のりかず」「のりやす」「よしかず」などと読まれ、女性の名前としては「れな」「れわ」と読まれるようです。
いずれにしても、「令和」という名前の方は珍しいと思われます。そのため、ひょっとするとマイクロソフトはユーザー登録された氏名をMS-IMEの辞書に追加していたのではないでしょうか。「令和」で「れいわ」という読みの方がWindows 95を購入してユーザー登録したのか、「令和」という漢字のみがユーザー登録され、マイクロソフトが自動もしくは手入力で「れいわ」として辞書に追加した、という経緯ではないかと思われます。
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